2012/11/30

大いなる勇者 (1972)

Jeremiah Johnson (1972) ★★★★

あらすじ
文明の中での生活を捨てて山に向かう男の話。凍結した死体から得た銃を使って獲物を捕らえながら、山に住んでいるインディアンたちともそれなりに友好な関係を築いていく。そんな中、男は山を進んでいくうちにインディアンに襲われた白人一家のもとに行き着く。子供たちは殺され、母親はその場で気を狂わせており、唯一残された息子もショックで口がきけなくなっていた。男は口のきけなくなった少年を母親から強引に押し付けられ、仕方なく少年を連れて行く。そんな二人はあるときスキンヘッドの男と出会い、インディアンへの復讐につき合わされることになる。そしてインディアンの一味を倒してしまうのだが、そのことによって男は倒した一味と争っていた別のインディアン集団の長から気に入られ、お礼として娘を授けられることになる。断りきれずに男はその娘を連れて行くことにする。初めはあまり会話もなかったが、ともに生活していくうちに男と少年と娘の三人の間には本物の家族のような信頼関係が生まれる。しかし安泰な日々は続かなかった。男が留守のうちに娘と少年はインディアンの襲撃を受け、2人とも殺されてしまう。絶望した男は、インディアンの集団に一人で乗り込んでいき、仕返しを果たす。それ以降、インディアンに命を狙い続けられる男の孤独な戦いが続いていく。

あまり知られてないのか不思議なくらい良い映画だった。主役の男がかっこよかった。髭を剃ってしまうより生やしていたほうがかっこいいと思った。少年は喋らないし殺されてしまうので、ほとんど活躍しなかった。


2012/11/28

ラッキー・カフェ (1989)

Queen of Hearts (1989) ★★

ロンドンのイタリア街に住んでいる家族の話。幸せそうな家族が半ばバラバラになりかけて最後には幸せに戻る。その家族のお父さんはギャンブルで大勝ちしたお金で「ラッキー・カフェ」という喫茶店を始めるが、主役の子のお兄ちゃんである長男はそんな細々した生活に嫌気がさし、悪い奴の手先になってしまう。お父さんはその悪役にギャンブルで勝負を挑む。しかし今度は大負けしてしまい、お金も店も奥さんも、何もかも奪われてしまう。しかし最終的にイカサマ競馬で大勝し、幸せになるのだった。
いい話だったけど微妙な映画だった。悪い奴がやられすぎだと思った。フィアンセをとられ、最後も負ける。この映画の気に入った場面は、靴下が見つけることの出来ない少年がお父さんに言われた冗談を鵜呑みにして新聞紙を靴下代わりに履いていく場面と、拳銃をもって悪い奴のアジトに乗り込んでいく場面。納得いかなかったのは最後の競馬の場面。おじいちゃんのお告げというなんの根拠もないもので低い確率を的中させてしまったし、そもそも始めの賭けから無効ではないのかと思った。

2012/11/27

ブッチャー・ボーイ (1997)

The Butcher Boy (1997) ★★★

レンタルしてきたこのビデオに貼ってあるシールに異常心理犯罪って書かれている。この映画のジャンルが書いてあるのかな。見る前から不気味な感じだった。実際に見てみると頭がおかしくなっていく少年の話だった。

ジョーとフランシーはかなりの悪ガキ。ジョーはまだ可愛げがあるけどフランシーはブタ。自分でも自分のことをブタと言っている。気に入らない気取ったマダム、学校で彼が苛めてる生徒のお母さん、が道を歩いていると「通行料よこせ。税金おさめろ」と言い寄る。彼の唯一の友達ジョーも次第にきちがいじみた彼とは距離を置くようになっていく。フランシーはそのことに気付きとてもショックを受け、自分の大切なものを奪われていくのはすべて例のマダムのせいだと思い込むようになる。母親が自殺し、父親も病気で死んでしまったフランシーは実際不幸な子供なのだろうけど全く同情の気持ちは湧いてこなかった。マダムの家に勝手に入って、めちゃくちゃにした挙句、口紅で壁中にPIGと書きまくり、しまいには床にうんこをこいたりするから。それが原因で施設に入れられるのだが、彼は神父が自分をレイプしようとしたことにうまいこと見せかけ脱出すると、再び街で暴れる。ブタの肉を扱う精肉屋でバイトを始め、その時使う大きな包丁を持ち出し、例の憎きマダムを切り刻んでしまう。

気持ち悪かったけど面白かった。フランシーの行き過ぎた意味不明な行動には思わず笑ってしまった。主役のフランシーは全然だけど、親友のジョーは控え目にしていれば可愛い少年だと思う。後半は性格もまともになって、完全にフランシーとは違う人間になる。

2012/11/26

人生は長く静かな河 (1988)

La vie est un long fleuve tranquille (1988) ★★★★

このブログでは鑑賞した映画の感想などを綴っていこうと思います。映画「スタンド・バイ・ミー」に感動してからというもの、少年が登場する映画を見るようになりました。文章を書くのに慣れていないので読みにくいかもしれませんが、少しずつ慣れていきたいと思います。

ある看護師が腹いせのために、生まれたばかりの貧困層と裕福層の赤ちゃんを入れ替えてしまうという話。主役の子はフランス出身の有名な俳優であるらしいブノワ・マジメル。赤ちゃんが入れ替わるというような話は「トト・ザ・ヒーロー」でもあった。貧乏な家庭で育ち、あとから裕福な家庭の子だったと発覚した方が主役のモモ(Benoît Magimel)。彼はお金持ちの家に移ることになったことをそこまで幸せだとは思ってない。入れ替わりが発覚し、家族全員が唖然とモモを見つめる場面での「お金もらえるじゃん」の彼の一言が良かった。その後、家から盗んできた銀の食器などの高級品を育った家庭に分けたりする。地元でモモはかるく英雄になっていた。一方、元々の裕福な家庭の子供たちは、モモを通して突然やってきた今までの自分たちとは別の生活に興味を持ち始める。シンナーを吸ったり女の子といちゃいちゃしたりする。利口に育ててきた子供たちのそんな姿を見た夫人はノイローゼになる。

シュールな映画だった。モモを引き渡す代償として大金を受け取った太って醜いおばさんが自分を着飾る服やアクセサリーを買い揃えるのにお金を費やしてしまうのが面白かった。そんなどうしようもない育ての親でもモモは愛していた。夜になると裕福な家のふかふかベッドの中で、涙を流すモモだった。