2013/02/28

あの、夏の日 (1999)

あの、夏の日 (1999) ★★

呆けかかっているおじいちゃんと、いつも考え事ばかりしていて、呆けたような表情を浮かべている孫の由太(ぼけ太と呼ばれている)の話。おじいちゃんは、よその家の葬式に勝手に入り込んで、ラジオ体操を始めてしまうほど呆けている。

しかし、本当に呆けていたのだろうか。おじいちゃんが空を飛んでいたり、タイムスリップしたりと、この映画は全体的に何がどうなっているのかよくわからなかった。ぼけ太少年の空想も混じっているのかな。

おじいちゃんの家に着いて緊張気味なぼけ太。そんな彼におじいちゃんが最初に放った一声が「んん!」(顎をしゃくってそこに座れということを意味している)。目の前に座ったぼけ太に向かっていきなり「通信簿見せい!!」。おそるおそる通信簿をおじいちゃんに手渡すぼけ太。次の瞬間おじいちゃんは通信簿をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱にポイ。この映画の中でぼけ太が時々発する「ひいっ」が可愛かった。ちなみに、当時中学生だった宮崎あおいのヌードシーンも含まれている。

2013/02/26

少年、機関車に乗る (1991)

Bratan (1991) ★★★

少年アザマッドが兄に連れられ無賃乗車の旅をする。のんびりと旅をする気分を味わえた。セピア色の映像が綺麗。兄はとても優しくて、アザマッドが、音楽の成績がよくなかったり、お腹がすいたりといったような、どんな些細なことで泣いていても、慰める。アザマッドのことを、「デブちん」という愛称で呼び、アザマッド自身も、名前を聞かれたときなど、自分のことを「デブちん」と名乗る。

淡々と機関車が進んでいく。時々停車し、車掌さんは車体の連結部分の確認などをする。「連結」と言っておいて、女の子との連結に勤しむことも。アザマッドは停車している機関車の操縦席をいじり、車体を出発させる。車掌さんは服がはだけたまま、あわてて列車を追いかけていく。「殺してやる!」

アザマッドは土を食べる癖がある。優しい兄も、アザマッドが土を食べたときには、鞭を打って叱る。アザマッドは「もう食べないよ」と言うのだが、その癖は治らない。

最後の、兄とその友達が喧嘩をする場面が印象的だった。機関車が通過していく騒音の中で2人は殴り合う。

2013/02/22

悲しみは星影と共に (1966)

Andremo in città (1966) ★★★★

人物を描いた話は心にしみる。戦争という過酷な状況下でも、愛する者がいればそれが生きる糧になるのだと思った。人にとって一番大事なことは人とのつながりかもしれない。この映画の場合は父と弟のミーシャ、そして恋人のイバンがレンカにとっての心の支えだった。星5つと言いたいが、ミーシャ少年がマスコット的な役割にあったので星4つ。子供たち自身が悩んだり、成長する映画が観たい。

しかし、盲目のミーシャはとても可愛い。世の中の悪をまだ何も知らないピュアな男の子という感じだった。目の前で何が起こっているのか姉のレンカに逐一質問する。レンカはそのたびにミーシャが悲しくならないような返答をする。最後の汽車の場面では、待ち受ける運命に押しつぶされることなく、最後までミーシャに希望を持たせる。

ロード・トゥ・パーディション (2002)

Road to Perdition (2002) ★★★

トム・ハンクス主演のギャング映画。バイオレンスな場面はほとんどなく、トム・ハンクスの温厚な人柄(勝手なイメージ)を生かして父と息子の絆を上手く描いていると思った。同じギャングものでも、狂気じみたアル・パチーノの「スカーフェイス」とは違い、どちらかと言えば「ゴッド・ファーザー」のような、一族のドラマをしんみりと描いている。

妻と息子(二男)が殺され、残された夫のマイケル(トム・ハンクス)と長男のマイケルjr(タイラー・ホークリン)の距離は徐々に縮まっていく。息子に運転の仕方を教えたり、ペンキを塗り替えたり、楽しそうなシーンもあった。その光景は見ていてほのぼのしたが、家族を殺されるというひどい仕打ちを受けたのだから、笑っていられる余裕なんてないぐらいの怒りと憎しみを2人には持ってほしかった。やはりトム・ハンクスはいい人だった。アル・パチーノのトニー・モンタナのような「世界は俺のものだ!」ぐらいの勢いはない。「スカーフェイス」のほうが好きかな。

2013/02/21

フライト・オブ・ジ・イノセント (1992)

La corsa dell'innocente (1992) ★★★

可愛そうで健気なビト少年の話だった。いきなり目の前で家族が惨殺される。特に説明はなし。ものすごい形相をした男がライフルをぶっ放し、全力でビト少年を殺しにかかる。

不自然に真っ赤な色の血が飛び散ったり、スローモーションの使いどころが面白かったり、全編を通してチープな印象を受けた。その割に、後半になると、幻想的な場面が挿入されていたりして、不思議な映画だった。夕焼けの赤色が印象に残った。

この映画の見どころは、健気なビト少年だと思う。家族は元から悪党で、彼自身には全く罪はないのだが、抗争に巻き込まれて命を狙われる。何度も銃口を向けられ、目の前で人が死ぬ。それでも、優しい心は失わない。ラストでは、ついに銃弾を受けてしまうのだが、意識の中で血の気のない家族の団らんを思い浮かべ、笑顔を見せる。撃たれて笑っていられる男の子なんて、ビト少年ぐらいしかいないと思う。

2013/02/19

ジャック・ソード 選ばれし勇者 (2007)

Jacquou le croquant (2007) ★★★

レオ・ルグラン君がセクシーすぎて、映画を見るというか、レオ・ルグラン君を見るものになってしまった。映画の中で、役者があまりにもかっこよかったり、美少年だったり、可愛かったりすると、内容が食われてしまう。美形すぎても使いどころに困ってしまう。

意外とエグイシーンが多かった。冒頭では主人公のジャクーが可愛がっていた犬が、銃で撃たれて殺されてしまう。その死骸を他の犬が共食いするシーンまであった。ジャクーが街の子供たちに蹴られて鼻血を流していたり、空腹に耐えられず、ろうそくをかじったりするシーンなども。

嵐の夜、ジャクーは母親と抱きあって、冷えた体を暖めあいながら眠るのだが、彼は自分の着ている服を脱いで母親にかけ、自分は上半身裸で眠る。献身むなしく、朝になると母親は死んでしまう。ジャクーが硬直した母親の腕の中から抜け出そうとする場面が切なかった。

2013/02/18

Born to be ワイルド (1997)

Wild America (1997) ★★★

馬鹿なことばかりをやって、それをビデオに収めていた3人兄弟が、あるとき動物ドキュメンタリー映画を撮りたいと言いだし、冒険に出かける。末っ子のマーシャル(Jonathan Taylor Thomas)は、年の離れた2人の兄貴たちの輪の中に入ることが出来ず、うらやましそうに遠くから眺めている感じだった。それがまた可愛かった。

洞窟で出くわしたクマの動きが、とても人間ぽかったりと、多少B級くささがあったが、夢を与えてくれそうな映画だった。「人は誰でも夢を持っている。忙しい毎日に追われて忘れてしまっているだけだ」

動物を撮り終え、家に戻ると、現実が待っている。父親は飛行機の整備士で、息子たちにそんな地味な仕事を継いでほしいと思っている。夢だけでは生活していけない。しかし、末っ子のマーシャルは、それでも、夢を見ることをみんなに訴えるために、飛行機を飛ばす。父親でさえも操縦したことがないのに、なぜかマーシャルは空を飛んでいた。

2013/02/17

イノセント・ボイス (2004)

Voces inocentes (2004) ★★★★

中南米エルサルバドルの内戦を描いた戦争ドラマ。主役のチャバ(Carlos Padilla)の目が大きくてきらきらしていたのが印象的だった。子供たちが授業を受けている小学校で銃撃戦が始まってしまうほど危険な状況だった。みんなが机の下にもぐり込んで身をひそめる中で、チャバは割れた窓ガラス越しに大人たちの戦いを見つめる。

チャバは、銃を携えた兵士たちがうろつく町の中を、放送禁止となっている曲をラジオで聴きながらスキップしていく。それを見た神父さんが同じ曲を町じゅうに流す。

チャバのお母さんは、子供たちを守るために、時には厳しく叱りつける。チャバが、紙で作ったホタルを夜空に浮かべて遊んでいて、帰りが遅くなると、「お尻をホタルにしてあげるわ!」と言って、チャバのお尻を叩く。

実話に基づいているということなので、世界には無理矢理戦争に駆り出される子供たちがたくさんいるということを知った。しかし、そうはいっても映画なので、ドラマチックな仕上がりになっている。

ホワイト・ローズ (1989)

Djavolji raj (1989) ★★★

アンドリヤは湖の安全を守る救助員。しかし溺れる人が全くいなくて救助員らしいことをしたことがなかった。そんな彼と、ナチから逃れてきたアニと息子のダニー(Nitzan Sharron)が一緒に暮らす話。アンドリヤは、ダニーがわざと溺れたふりをしているのを分かっていながら救助しに行き、自分が溺れてしまうほど情けなかった。

噂では湖には巨大なナマズがいるらしかった。湖に浮かんだ船の上には裸の女が寝そべっている。男の子たちは裸の女が気になる。その女は裸のまま、ドイツ軍に銃を撃たれて死んでしまう。

便宜のためにアンドリヤとアニは形式的に結婚することになるのだが、ダニーはアンドリヤが父親になるのが嫌で、はっきり「いやだ!」と言う。そんな風に言われてしまうアンドリヤが面白くてよかった。初めて溺れていた人を助けたかと思うと、運の悪いことにそれがドイツ兵で、仲間たちから「売国奴」と言われる。少年が活躍する映画とは言えない。

2013/02/16

旅立ちの時 (1988)

Running on Empty (1988) ★★★★★

リバー・フェニックスの出演映画。ラストは感動して久しぶりに目がうるうるした。

革命家の親を持つダニー(River Phoenix)と弟のハリー(Jonas Abry)は、生まれたときから身を隠すために引っ越しを繰り返さなければならない生活を送っていた。家族の厳しい生活を描きながら、優しくて心地のいい音楽が使われている。

とにかくリバー・フェニックスの魅力が詰まった映画だった。自由に身分を名乗れないという状況が彼を謎めいた存在にしていて、それがまたいい。「鏡を見ると違う自分がいるし、半年ごとに名前も変わる。いやな感じだよ」

映画を見る限り、リバー・フェニックスは実際にピアノを弾くのが上手い。顔と手が同時に映っていたので替え玉ではなさそう。睨みつけているようでいて、おっかなく感じさせないような目力がある。あと照れ笑いの表情がとてもリアルだった。完全に役になりきるより、役者の本来の性格をちらっとでも垣間見ることが出来ると、見ている側としてはその人のファンになってしまうのかもしれない。そういえば、SMAPの番組でアラン・ドロンがゲストとしてやって来たとき、アラン・ドロンが草彅くんに「君は役を演じる俳優か、それとも生きる俳優か?」という質問を投げかけていた。アラン・ドロンは自らのことを役を生きる俳優だと言っていた。その時アラン・ドロンが言っていたことは、そういうことかもしれない。

それから細かいところでは、授業で先生にあてられたときの一旦メガネを外す仕草がかっこよかった。メガネをかけていたら真似してみたいと思った。「ベートーベンじゃ踊れない」 この返しで教室のみんなから拍手される。

日本でも昔は学生運動というものがあったらしいけど、どういうものかイメージが湧かない。この映画でも「地下に潜る」という表現が使われていた。「クローズド・ノート」を見てみたい。革命家なんて聞くと、何となくかっこいい感じがするけど、この映画を見る限り、あまり世間には抗わないほうがよさそうだ。

2013/02/14

禁じられた海岸 (1985) <未>

Playa prohibida (1985) ★★★★

突拍子のない展開が続いたけれど、なかなか味があって面白い映画だった。ビーチに住む母とミシェル(兄)とアルマンド(弟)のところにカルロスという男がやってきて、母親とカルロスは恋に落ちる。それに嫉妬するミシェル。

母親(エレーナ)とカルロスが絡みあうシーンが多かった。水中で酸素ボンベを担いだ状態でも抱きあう。いちゃいちゃする2人をミシェルは如何わしい表情で眺める。あまりのショックに時には気絶することも。

海で捕まえたタコを見ながら、ミシェルとアルマンドは、「気持ち悪い!まるでカルロスみたいだ!」とふざけあう。夜中、そのタコをカルロスのベッドの中に忍ばせる。そういえば「罪深き天使たち」では、タコの代わりに血まみれのカラスの死体だった。とんでもない悪戯だ。ミシェルとアルマンドが拳銃を見つけたところから、その後の展開に緊張感が生まれる。

話はそれるが、この映画の人たちみたいに、いつでも薄着でいられる所に住んでみたい。肌の色も健康的だったし、解放的だった。

2013/02/10

オリヴァー・トウィスト (1922)

Oliver Twist (1922) ★★★

オリバー・ツイストは今までに何度も実写映画、ドラマ化されている。

Oliver Twist (1909)
Oliver Twist (1922)
Oliver Twist (1933)
Oliver Twist (1948)
Oliver Twist (1982)
Oliver Twist (1985)
Oliver Twist (1997)
Oliver Twist (1999)
Oliver Twist (2005)
Oliver Twist (2007)


少し調べただけでこれだけの「オリバー・ツイスト」が見つかった(1909年のものは女の子が主役) 原作者のチャールズ・ディケンズ凄すぎる。「クリスマス・キャロル」「デイヴィット・コパフィールド」など他の作品もあることを思うと、ディケンズの子孫が受け取る印税はどうなっているのか気になる(著作権が切れたりしているのかもしれない) それはともかく、これだけ何十年も、しかも世界中の人々に愛される物語をペン一本で生み出したディケンズの才能。

2005年のバーニー・クラーク君の「オリバー・ツイスト」と、1968年のマーク・レスター君の「オリバー」はなじみが深い。

主役はジャッキー・クーガン。サイレント映画なので身振り手振りしか見られないがコミカルで可愛かった。100年前の子役だと考えると不思議な感じがする。もちろん今は亡くなっている。

2013/02/08

モスキート・コースト (1986)

The Mosquito Coast (1986) ★★★★

リヴァー・フェニックス出演作。彼がこの映画で演じたチャーリーは今のところ「スタンド・バイ・ミー」のクリスの次にお気に入りの役。チャーリーの弟役のジェリーはジャドリーン・スティール君。彼も可愛かった。「秘密の花園」という映画にも出演しているらしいので今度見る。

未開拓の地に移住する家族の話。言い出したのはハリソン・フォード(父親) チャーリーたちは父親を尊敬しているので文句も言わずついて行くが、映画の後半になると家族みんな父親を憎むようになる。弟のジェリーは「殺したい」とまで言っていた。

人に自分の考えを押し付けるのはよくない。子供が出来たら最初のころの父親のように憧れられる存在になりたい。でも最後みたいに恨まれるようなことにはなりたくない。

2013/02/06

キッズアイランド (1980) <未>

Barnens ö (1980) ★★★★★

拝借したDVDより。英題 “Children's Island” 主役のレイネ(Tomas Fryk)の***した***にカメラの焦点が合わせられるのには驚いた。他の映画では見えたとしても一瞬で、アップになることはまずない。キングオブ珍出しムービーです。

大人になりたくないレイネ少年の成長物語。大人になっていないことを確かめるため毎日ちん毛が生えてきていないかチェックする。そのせいもあってよく映る(もうこれぐらいにしておこう)

サイケデリックな?BGMが映画を異様なものにしている。「トムとローラ」を知っている人は少ないだろうけど、それと同じような不思議で不気味な雰囲気がある。

母親は仕事で出ていき、レイネは夏休みを家で1人で過ごすことになる。そこから彼の自分探しが始まる。「誰もやってこないし誰にも邪魔されない。何もかも思い通りだ!」と、わくわくした気持ちで、壁に宇宙飛行士?の写真を張り付けたり、夜遅くまでテレビを見ていたりするのだが(なぜか全裸で)見ていたのがホラー映画か何かで、結局テレビの電源を引っこ抜いて「ママ、ママ…」と暗い部屋の隅で泣いていた。

デザインの仕事を手伝ったり、サーカス団に入ったり、後半には、大人への反抗の気持ちが強くなってきたようで、ヒッピーやギャング集団とつるむ。いろんな経験を通して、最後には前向きに12歳を迎えるのだった。ちん毛も1本生えてきたらしい。

大人になりたくない気持ちは分かる(もう大人だけど) レイネは「絶対に欲情しないしセックスもしない」という誓いを立てる。しかしその思いに反して体はちゃんと反応する。混沌とした思春期ならではの葛藤を観ることが出来た。

2013/02/05

インベージョン (2007)

The Invasion (2007) ★★★

ニコール・キッドマン主演のSFスリラー。目的はジャクソン・ボンドくん。この映画とCSI:マイアミ4に出演している(後者はゲスト出演レベル) ニコール・キッドマンの次ぐらいに活躍していたので十分に満足した。

人類がウイルスに感染していくという話。「28日後」のように、あからさまなゾンビになるのではなく、感情を失ったロボットのようになる。なので街に出るときは自分が生身の人間だということがばれないように、無表情を装わなければならない。よくよく考えればおかしな話。

シリアスな話だったが、ジャクソン・ボンド君が映ると癒される。にこにこしていて可愛かった。「28日後」「アイ・アム・レジェンド」などの似たような映画には及ばないが、その分ジャクソン・ボンドくんが見れたので良しとしよう。

2013/02/03

鏡 (1975)

Zerkalo (1975) ★★

もしこの「鏡」が映画館で上映するとなっても、やってくるのは本当の映画好きだけだろうな。その人たちはこの映画をどう思いながら見ているのか気になる。監督によっては、自分で撮っていながら、自分でも何が言いたいのか分からない人もいるらしいが(「スウィート・ムービー」を撮っているときのドゥシャン・マカヴェイエフ監督はそうだったらしい)タルコフスキー監督はさすがにそんなことはないのかな。比べるものじゃないかもしれないけどビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」は初めから終わりまで釘付けになった。しかしこの映画は途中眠気を感じた。

「ノスタルジア」や「サクリファイス」など、この監督の映画は何本か観たことあるけど、字幕を読むにしても意味がわからない。読まなくてもいいようなもんじゃないかと思える。そんなときは無理矢理字幕を音読する。そうしているうちに映画を観ているというより、詩を読んでいるような気分になった。新しい映画の見方を発見した気がした。

楽しもうとか思って見るものじゃないな。絵画のような映像は綺麗だと思った。「鏡」の中の芸術作品のようなキャプ画を見てみてください↓

ウルフハウンド 天空の門と魔法の鍵 (2007)

Volkodav iz roda Serykh Psov (2007) ★★★

24億円の費用をかけてつくられたというロシアの映画。本国では大ヒットしたらしいけど、全く知らなかった。この映画には「チーズケーキ」の美少年パーヴェル君が登場してくる。出番が少ないことは分かっていたけど、日本で公開されたパーヴェル君を見るにはこれしかない。

最初に画面に映ったのがパーヴェル君だったのでテンションが少し上がった。カツラをかぶっていたので、彼のブロンドサラサラヘアーは観ることが出来なかった。役柄、顔も汚れていた。冒頭7分で彼の出番は終わり。次の瞬間には、最強の戦士になって登場してくる。両親を殺されたウルフバウンドの復讐劇だった。「おぬし、名は?」「狼狩り(ウルフハウンド)さ」

本当に最強の戦士で、絶対負けない。パーヴェル君の出番も終わってしまったし、どうなることやらと思いながら見ていたけれど、主役のウルフハウンドが人情にあふれていてかっこよかったので楽しめた。

旅路の途中、一行は姫を守るという役目のもとで集められた仲間同士だったのだが、その中でもいろんな人間関係がある。ウルフバウンドが姫のお気に入りになると、それを妬む者も出てくる。社会に出ても、出世とか、いろいろ他人と競い合わなければならないのかなと思った。ちなみに、ロシアのこのようなファンタジーアドベンチャー映画に「ミオとミラミス 勇者の剣」というものもある。これにも美少年が出てきそう。

2013/02/02

明日の空の向こうに (2011)

Jutro bedzie lepiej (2011) ★★★★★

3人の少年たちが自分たちだけで国境を超えるという話。3人ともイケメンもしくは美少年。ドロタ・ケンジェジャフスカ監督の作品には「僕がいない場所」というものもあるが、それもこの映画と同じように少年が主役の少しさびしい話だった。

ペチャは一番年下で、年上の2人に何度か置いてきぼりにされそうになる。しかし、ペチャは生命力があるというか、そんなことではへこたれない。さびしそうな表情を浮かべたり、弱音を吐いたりすることはほとんどなかった。ただ、ぬいぐるみのテディが見当たらなかったり、兄貴に取られたりすると必死になる。兄貴からテディを奪い返すと、初めはテディを叱って地面にたたきつけるが、そのあとすぐに慰めて、キスを浴びせる。

国境を超えるためには電流が流れた電線を潜り抜けなければならない。それに備えてロープを張って練習するのだが、一番年上の子は真面目に取り組もうとしても、ペチャは「僕は大将がいい!」と言い張ってばかり。お兄ちゃんはそんなペチャをみてくすくすと笑う。「ペチャ!いつもお尻が上がってる!」

結局、本番ではペチャは最初に電線を潜り抜ける。あとの2人が潜り抜けるまでその場で居眠りする余裕っぷり。一気に安堵感が出たのか、それとものんきなだけなのか。

最後まで見ると、さびしい話になってしまう。とにかくペチャが面白くて可愛かった。虫歯なのか、前歯がほとんどなくて、あれは特殊メイクなのかなと思ったけど、違うのかな。ちなみに「天国への300マイル」という映画も少年2人が国境を越えるが、そこでつらい目を見るという話だった。そっちの方はトラックの裏に張り付いたり、船の荷物置き場に閉じ込められたりと、かなり過酷な国境越えだった。