70分程度のコンパクトな作品。BGMが挿入されておらず、人物同士の会話の声は聞こえているが、画面に映っている人物の口は動いていない、というような場面が何度かあったりして、詩的な感じに仕上げているのだと思う。2人の兄弟、マーク(Parker Lutz)とスティーブン(Eric Baskerville)とその母親。3人とも愛情に飢えている感じで、さびしそうだった。
母親は何気なく、町内会の集まりのような質素なパーティーに出向き、一人でドリンクを飲みながら、すました様子でいる。まったく何も起こらない日があったり、興味のないじいさんに声をかけられる日もある。ある男と紙コップに注がれたビールで乾杯をした日には、その男を自宅に招いてセックスをする。
思春期の子供たちもそれぞれで忙しい。兄のマークは学校には通っていない。自動車のディーラーのようなところで働きつつ、ある女の子とセックスをするために、母親の化粧台からとってきた指輪をプレゼントしたり、まずはフェラチオをしてもらったり、お互いにぎこちなく親密な関係になろうとしている。弟のスティーブンは、担任の先生のことが気になって、授業中にぼんやりと先生のおっぱいやお尻を眺めている。友達がエロ本を持ってきていたりして、家に帰って洗面台の前でオナニーに挑戦している。
映画の冒頭では、マークが木材にドリルで穴をあけたりして、家具を組み立てていると、弟のスティーブンが、かまってほしい様子で、しつこく兄に近づいてくる。ドリルが木材を貫通すると、その先にはスティーブンの顔面があり、ドリルが彼の目をかすめる。悲鳴が上がり、母親が駆けつけてきて、急いで病院に向かう。失明は免れたものの、それのせいでスティーブンは右目にずっと眼帯をつけている。学校では馬鹿にされたり、海賊みたいでかっこいいと言われたりする。
思春期の男の子は、時にはひどいやり方で先生たちを困らせる。この映画を観ていて、そういえば自分は先生に腹を立てたことはほとんどなかったなと思い出した。たとえ怒られても、不良っぽくなっている自分、ということでちょっとうれしかったぐらいだった。この映画でも、スティーブンの周りは、担任のことが気に入らず、あるとき、担任の女の先生の車にスプレーで卑猥な言葉などを落書きしていた。誘いを断れず、一緒に実行してしまっていたスティーブンだったが、担任の先生のことは、おっぱいやお尻を眺めているぐらい好きだったので、悪ガキたちが走り去っていった後、自分のシャツを脱いで、車の落書きを一生懸命拭っていた。
兄のマーク。
弟のステファン。
兄弟そろって。。
上の画像と比較すると、鏡に白いの付いてるような…
背中フェチかも。
幸せであってほしい家族。
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