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2014/06/23

テルレスの青春 (1966)

Der junge Törless (1966) ★★★★★

60年代製作の寄宿舎もの。これだけでそそられる。「寄宿舎 悲しみの天使」の美的感覚と同性愛的雰囲気はそのままに、そこに「蠅の王」の子供たちだけで隔離された状況に生まれるサディズム感を取り入れたような内容。上映時間90分。間延びすることなくコンパクトにまとめられた傑作!現時点ではDVDにはなっていない。

監督は「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ。思い返してみても意味不明なあの映画。気持ち悪くなるけどまた観てみたい。そんな映画を撮った監督なので、良くも悪くもこの「テルレスの青春」も一筋縄ではいかない。

主役のテルレス(Mathieu Carrière)。学識があって普段から詩などを書きためている少年。端正な身のこなし。口にすることが哲学的でよくわからない。無理数の存在が許せないらしく、数学の先生へ質問攻めし困らせる。そして彼の周りで起こったいじめの状況を、その無理数の話と関連付けて、教授たちのところへ抗議しに行く。おかしな奴だとしか思われず、こんなところやめてやると、寄宿舎を出ていくのだった。

子供たちの関係がおかしくなったきっかけは些細なことだった。少しどんくさい小太りのバジーニが、友達のお金をこっそり盗んでしまうのだ。周りの抜け目のない少年たちはこの事件を見逃さなかった。ここぞとばかりにバジーニに付け入って脅し始める。そして彼らの好奇心を満たすために、バジーニをおもちゃのようにするのだった。もともと、バジーニがお金を盗んでしまったのも、彼らが仕向けた罠だったように思う。

少年たちは、いろんなことをバジーニに強要する。繰り返していくうちに、彼らも飽きてくるし、バジーニ本人も、いじめられることに慣れてくる。そうなったら、また新しい一歩踏み込んだことをバジーニで試すといった、負の連鎖が繰り返されていくのだった。彼らがバジーニを連れて行くのは薄暗い屋根裏部屋。ろうそくの明かりがゆらゆらする中で、バジーニは裸で歴史の教科書の残酷なページを朗読させられたり、催眠術を掛けられて痛みの感じない体にさせられる。腕に熱した針を刺してもぴくりともしない。

いじめっ子の側にいたテルレスだったが、バジーニを助けたいと思い始める。ただ、バジーニの肩を持つと今度は自分までいじめの対象になりかねない。そこでテルレスがとった行動は、何も言わずただ傍観することだった。この寄宿舎で起こったテルレスを含む子供たちの構図は、ユダヤ虐殺を見て見ぬふりをしたドイツ人のエゴイズムに重なるのだそう。この映画の原作は、ヒトラー政権下で発行された「若いテルレスの惑い」。映画でのいじめられっこバジーニはどんくさいが、原作のいじめられっこは美少年らしい。「ベニスに死す」のヴィスコンティが映画化を企画しただけはある。ただテルレスとバジーニがどちらも美少年だったら微妙で、バジーニがあんなんだから妙にリアルでより残酷な内容に思える。

クールで冷静なテルレスだったが、寄宿舎にいる数少ない大人の女性の部屋に行ったときだけは、恥ずかしそうにしていた。


2013/08/28

サンペリの母心 (1969) <未>

Cuore di mamma (1969) ★★★

サルヴァトーレ・サンペリ監督作品。前回の「Nenè 」に続いて、この監督の作品を観るのは2本目。日本でもDVDになるとかしてもらって、日本語字幕付きを観てみたい。このぼんやりとした雰囲気はどう伝わってくるのだろう。

69年制作という割には、いろんな面で前衛的だと思った。例えば、出演者の着ている服や、部屋のインテリアなど、鮮やかな原色でコーディネートされていて、「時計じかけのオレンジ」を思い出した。

何より、オープニングのインパクトがすごい。マッシモ少年(Mauro Gravina)が、拘束された大人の女性の上に乗っかり、熱した鉄の針で、お尻に絵を描いていくのである。これは一度見たら忘れられない。

特筆しておきたいことはマッシモ少年についてである。彼のことはどう言えばいいのか、表現するとしたら、「やばい奴」とか「サイコ野郎」である。政治のことから科学技術のことまで、年齢の割に知り過ぎている。何かに陶酔しているようで、ずっとヘルメットを被っている。

マッシモ少年のやばい行動。
オープニングのお尻に絵。
女の人を狭いところに閉じ込めて、「裸になれ」と命令し、隙間からガスを注入する。
まだろくに言葉も話さない弟のことをなんだと思っていたのか。ロケットに乗せて、宇宙に飛ばそうとする。さらに、コミュニスト!と罵倒し、自分が裁判長を務める裁判にもかける。ついにはバスタブで溺れさせる。
部屋にガスを充満させる。妹はそれによって死亡。自分はガスマスクを装着。
最後には、ロケットの爆発に巻き込まれる。マッシモ少年の象徴であった、ヘルメットが虚しく飛んでくる。

母親が劇中1度も口を利かないというのも不気味だった。暴走していく自分の子供たちのことをどう思っているのか不明。一緒にお風呂に入ったときは、子供たちを微笑ましく見ていたが。


2013/07/14

天使の詩 (1966)

Incompreso (1966) ★★★★★

「ウインター・ローズ」と同じ話だった。見始めるまで知らなかった。母親を亡くした兄弟とその父親の話。ヘンリー・トーマス君(「E.T.」の男の子)が主役の「ウインター・ローズ (1984)」の方を先に観ていた。こちらは劇場公開はされたものの日本ではVHSにもDVDにもなっていない。

弟のミーロ(Simone Giannozzi)はイライラさせられるぐらい純粋な男の子だった。兄のアンドレ(Stefano Colagrande)はどんなにミーロがしつこくてもやさしくしてあげる。不思議なぐらいだった。彼らの母親は死んでしまった。アンドレだけがそのことを知っていて、ミーロは母親は旅行に行ったのだと思っている。

父親とアンドレの関係は見ていてもどかしい。アンドレが何かをしても裏目にでてしまう。父親の誕生日プレゼントを町まで買いに行くが、ミーロと危険な2人乗りをしていたところを見られてしまい、父親を怒らせてしまう。せっかくのサプライズが台無しになってしまう。父親をびっくりさせようと、朝早くおきて、こっそり車を洗おうとするアンドレだったが、来るなというのにミーロもついてきて、邪魔をする。ミーロはわざと自分に水をかけて風邪をこじらせる。そのことでアンドレが責められる。楽しみだった父親とのローマ行きがなくなってしまう。

美しい豪邸に住む天使のような2人。それだけ見られただけでも満足だった。1966年制作とは思えないぐらい映像がきれいだった(ブルーレイも出ている)。着ているものも上品で、柔道着姿も可愛かった。ミーロがわがまますぎるのが駄目だと思った。

2013/06/20

青きドナウ (1962)

Almost Angels (1962) ★★★★

ずっと観たいと思っていた映画。ディズニーだしウィーン少年合唱団だし、観たい人は少なくないと思うが、DVDになっていないしVHSですら見つけることが困難なのは不思議。

子供たちがワイワイとしていて楽しそうではあったが、その裏には声変わりをしてしまえばお終いという現実があって、切なかった。とてもきれいな声なのだが、心の底から楽しめないというか、例えば旅行に行って、その時は楽しいが、あと数日で帰らなければならないということを考えてしまった時のよう。そんな儚いところもまた良いのだろうけれど。

主役のトニー(Vincent Winter)はオーディションをパスし、あこがれのウィーン少年合唱団に入団する。世界各国を飛び回り、歌うことが出来る。ずっと一緒に生活している仲間といろんな国へ行けるのはすごく楽しいだろうなと思った。歌のレッスンの途中に、次の公演はどこですか?と先生に聞いたりしていて、海外に行けることが歌うこと以上に楽しみな様子だった。

ただ、年長のメンバーの中には、間もなく声変わりを迎えそうな子もいる。高い声が出なくなってしまったらツアーについて行く必要もなくなる。旅立つ直前に声が変化してしまったピーター(Sean Scully)を、みんなでかばう。口パクで歌わせ、後ろで別の子が歌うという作戦を立てるが、さすがに上手く行かない。そこまでして仲間を想う団結力にじんときた。

終わりが見えている少年合唱団に入団することはある意味残酷だなと思った。しかし劇中でも話題になっていたが、フランツ・シューベルトはもともとウィーン少年合唱団の一員だったらしい。声変わりを迎えて一度は挫折を味わうが、その後、彼のように偉大な音楽家になる生徒は多い。ふてくされないことが大事。


2013/05/02

チキ・チキ・バン・バン (1968)

Chitty Chitty Bang Bang (1968) ★★★★

ちらっと見かけたこの映画に出てくる男の子がとても可愛かったのでいずれ見ようと思っていたが、2時間半と尺が長いしミュージカルというのはあまり楽しめる気がしなかったので後回しにしていた。満を持しての鑑賞。まず気になったのが「チキ・チキ・バン・バン」という不思議なタイトルだが、主役の発明家が作った車のエンジン音から来ていた。

主人公は少し変わった発明家のカラクタカス。彼の2人の子供たちが可愛い。息子のジェレミー(Adrian Hall)はぷっくりとしていてそれがまた良い。父親と子供たちが仲よく歌って踊る姿には癒された。特にチキチキバンバンの歌はくせになる。発音はチリチリバンバンの方が近い。ディズニー映画のような誰でも楽しめるストーリーだった。中盤から空想みたいになって、最後に現実に戻るというのは今まで観たことなかった。

今までに見たミュージカル映画らしいものといえばせいぜい「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ぐらいしか思いつかない。とても暗くて救いようのない話だが一応歌って踊っていた。

ミュージカルは好きかもしれない。踊りだすシーンで歌詞の日本語字幕が付いているが、英語の字幕もつけてほしいと思った。そしたら一緒に口ずさめる(1人で観ているとき限定)。ダンスにもキレがあって、まるでカンフー映画のアクションシーンを観ているときのような迫力もあった。

2013/02/22

悲しみは星影と共に (1966)

Andremo in città (1966) ★★★★

人物を描いた話は心にしみる。戦争という過酷な状況下でも、愛する者がいればそれが生きる糧になるのだと思った。人にとって一番大事なことは人とのつながりかもしれない。この映画の場合は父と弟のミーシャ、そして恋人のイバンがレンカにとっての心の支えだった。星5つと言いたいが、ミーシャ少年がマスコット的な役割にあったので星4つ。子供たち自身が悩んだり、成長する映画が観たい。

しかし、盲目のミーシャはとても可愛い。世の中の悪をまだ何も知らないピュアな男の子という感じだった。目の前で何が起こっているのか姉のレンカに逐一質問する。レンカはそのたびにミーシャが悲しくならないような返答をする。最後の汽車の場面では、待ち受ける運命に押しつぶされることなく、最後までミーシャに希望を持たせる。

2013/01/17

盗まれた飛行船 (1967)

Ukradená vzducholod (1967) ★★★

アニメと特撮が合わさったような映画だった。CGもいいけどこういうのもいい。この映画を見て、そういえばチェコのアニメは日本でも人気があるらしいけど、こういう映画がチェコにあったからこそアニメが発達したのかなと思った。大人がはまるアニメらしい。1989年に社会体制が崩壊するまでのチェコスロバキアでは、著作権の関係でチェコ独自の映画ポスターが制作されていたらしい。「チェコ 映画ポスター」で検索すると変わったデザインのポスター画像がたくさん見つかった。

色の変化が斬新だった。人が死んだりするような恐ろしい場面では画面が赤くなったり、飛行船が嵐に巻き込まれるときには青くなったりしていた。5人の少年が当時の最先端技術を駆使してつくられたという飛行船を盗んで空を旅するのだが、少年たちによる空の旅ではなくて、どちらかというと町の大人たちの騒ぎようが話の中心だった。ただ、飛行船が島に墜落してからは、少年たちメインのファンタジーのようになる。せっかくネロ船長の潜水艦に招かれたのに、どうして少年は抜け出てしまったのかわからなかった。

2012/12/02

夜のたわむれ (1966)

Nattlek (1966) ★★★

白黒でおしゃれな映画だった。女優が美人だったし屋敷も立派で装飾品も高級そうなものばかりだった。しかしそれらは主人公の男に悩んだ子供時代を思い出させるのだった。過去の回想と現在とが交互に映し出される。最後には屋敷に招待した客に家の物を好きなだけ持って帰っていいと言って、空っぽになった屋敷を破壊する。でもそんなストーリーはどうでもよくて、この映画の見るべきところはエロチックな雰囲気を漂わせるマザコンな少年。寝る前にお母さんが履いていたスカートの裾のにおいをくんくんしたり、口にくわえたりしていた。ベッドの上でお母さんに本を読んでもらっているときにはお母さんの足を愛おしそうに眺めながらシーツの下でシコシコする。そのオナニーはばれてしまいひっぱたかれてシーツを剥がされる。気品のある少年だった。いいとこの子だから着ているものもおしゃれ。化粧して女装もする。演じたJörgen Lindströmという子役は同じ年に公開した「沈黙」という映画にも出ているらしいので機会があったら見てみたい。でも役名が「だれだれの息子」みたいな感じなので脇役だと思う。