Nightcrawler (2014) ★★★★
こういうやつこそ世の中にいてもおかしくない本物の悪魔!
1人の男がパパラッチとして成功していくストーリー。ルイスは異常なまでの執念で、手段を選ばず、悲惨な現場をカメラで撮影しまわっている。何が彼をあそこまでさせているのか、第三者が見ても理解できないだろうし、感情移入はできないと思う。
おそらく彼は、何かに集中し始めると、それを成し遂げたくて周りが見えなくなってしまうタイプなんだと思う。特に、血なまぐさいグロテスクなものが好きでああいった悲惨な現場を撮影して回っているのではなくて、対象さえ別のものであれば、世間でいうところの天才実業家とかになれたんだと思う。
人間的にどうなの?って、この映画を見た人なら思うだろうし、最低な奴だという印象が強いのかもしれないが、自分の場合、ルイスのやっていることはちゃん計算されていて合理的だと思う部分もあった。
警察よりも早く事件現場に駆け付けて、直後の映像を撮影すれば、それは高値でテレビ局に売ることができる。交通事故のインパクトを増すためには、血まみれの死体を引きずってでも、車の横に配置することで、1つのフレーム内に車と死体を収める。とっておきの大スクープは、すぐには公開せず、さらに価値の増す場面まで隠し持っておく。
ルイスは、感情的なものが欠如し、かつ頭は良いということで、誰しも持っているずるがしこさ(?)を躊躇なく最大限に実行できるんだと思う。
個人的には、ルイスが悪いのではなくて、彼の撮影したような映像を興味本位でみる視聴者が一番悪いんだと思う。視聴率が上がるなら、テレビ局はその映像を得るためにお金を多く払うし、お金を多くもらえるなら、パパラッチはもっと過激な映像を求めて突っ走る。
ちなみに最近日本でもあった2人の中学生殺害事件。毎日のように、必要以上にニュースでやっていた。これは視聴者が騒ぐから悪いのだと思った。
特に経験やノウハウもなく、簡単に有名人になれてしまう、今どきのYouTuberというやつが、この映画のルイスになりえてしまう一番近い存在だと思った。見る側が正しいジャッジをしないといけない。彼らの動画のほとんどが面白くないということに気づかないといけない(?)
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