事実に基づいた話だということしか知らずに観た。最初から最後まで2時間以上継続する緊張感!直接言葉で語られることが一切なく、登場人物の境遇であったりその時の表情で何が起こっているのかを考えながら見ていないと、意味が全く分からず終わってしまう。
ジョン(大財閥の御曹司)はレスリングが大好きだった。しかし彼の母親はレスリングなんて下品だといって一切認めなかった。ジョンはずっと否定され続けているという意識を持ちながら育った。大金持ちで世間とは一線を引いた生活を送り、友達も1人もいなかった。自分にはない強さを求め、レスリングの金メダリストを屋敷に招き、自分はコーチとして君臨することで、自分自身が強くなったという錯覚に浸るのだった。
マークはレスリングの金メダリストではあったが、彼の功績は兄のデイブのおかげだと世間からは思われ、自分でもそう感じていた。ある日2人のところにジョンからおいしい話が転がり込む。不満に満ちた今の生活を変えるチャンスだと、意気揚々とジョンについていくマーク。これ以上のお金や名誉よりも、自分には今の生活の方が大事だと言って話には乗らないデイブ。
その後、屋敷での生活に慣れてきたころ、マークはコカインを常用するようになっていた。試合日が近づいているのにもかからわらず、トレーニングをやらずに仲間とテレビを見ながらビールを飲んでいた。やはり兄のデイブがいなければだめだということで、ジョンはデイブを屋敷に招く。
お金だけは持っているが、母親に怯え自分では何もできないジョン。何をしても兄貴には劣り、陰に隠れてしまうマーク。2人は似た者同士だった。ジョンは、そんなマークには勝者になってほしいと感じていた。しかし結局兄のデイブが活躍し、マークはレスリングを辞める。さらに、大きな権威であった母親は自分を認めてくれないまま他界してしまう。やけになったジョンはデイブを射殺する。
映画の最後にレスリングをやめたマークが別の形で活躍している場面がある。逮捕されて獄中で死亡したジョンと、レスリングではない異種格闘技の舞台で頑張るマーク。似たような2人でも人生の歩み方は大きく違った。
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