2013/06/20

青きドナウ (1962)

Almost Angels (1962) ★★★★

ずっと観たいと思っていた映画。ディズニーだしウィーン少年合唱団だし、観たい人は少なくないと思うが、DVDになっていないしVHSですら見つけることが困難なのは不思議。

子供たちがワイワイとしていて楽しそうではあったが、その裏には声変わりをしてしまえばお終いという現実があって、切なかった。とてもきれいな声なのだが、心の底から楽しめないというか、例えば旅行に行って、その時は楽しいが、あと数日で帰らなければならないということを考えてしまった時のよう。そんな儚いところもまた良いのだろうけれど。

主役のトニー(Vincent Winter)はオーディションをパスし、あこがれのウィーン少年合唱団に入団する。世界各国を飛び回り、歌うことが出来る。ずっと一緒に生活している仲間といろんな国へ行けるのはすごく楽しいだろうなと思った。歌のレッスンの途中に、次の公演はどこですか?と先生に聞いたりしていて、海外に行けることが歌うこと以上に楽しみな様子だった。

ただ、年長のメンバーの中には、間もなく声変わりを迎えそうな子もいる。高い声が出なくなってしまったらツアーについて行く必要もなくなる。旅立つ直前に声が変化してしまったピーター(Sean Scully)を、みんなでかばう。口パクで歌わせ、後ろで別の子が歌うという作戦を立てるが、さすがに上手く行かない。そこまでして仲間を想う団結力にじんときた。

終わりが見えている少年合唱団に入団することはある意味残酷だなと思った。しかし劇中でも話題になっていたが、フランツ・シューベルトはもともとウィーン少年合唱団の一員だったらしい。声変わりを迎えて一度は挫折を味わうが、その後、彼のように偉大な音楽家になる生徒は多い。ふてくされないことが大事。










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