2013/08/29

シェーン (1953)

Shane (1953) ★★★★

西部劇はざっくりと、悪い奴の話なのか、良い奴の話なのか、で分けられるように思う。例えば、最近観た「夕陽のガンマン」は、人を撃ちまくって賞金を得る男たちの話。法なんてあってないような世界。「明日に向かって撃て」「ワイルド・バンチ」なども結局は悪者。確かにかっこよくて、痺れるのだが。

逆に、この映画や、「西部の男」「大いなる西部」の主人公は、基本的に銃を扱いたくない。派手な場面は少ないが、こっちタイプの方が見終わったあとに心に響いてくるものがある。

この映画のシェーンは、弱いものの味方だし、銃の腕も立つし、非の打ち所がない完璧なヒーロー。ただ、あまりに完璧すぎても、興ざめしてしまうことがあるのだが、(クリントイーストウッドの「ペイル・ライダー」「許されざる者」など)この映画の場合そうはならず、「何とかしてくれ、シェーン!」と素直に応援できた。特に、酒場での殴りあいの場面なんかは、手に汗握った。おそらくジョー少年も、同じような気持ちで喧嘩を見ていたのだろう。ジョー少年が、シェーンに慕う様子には、ものすごく共感できた。

映画を見終わってから、ネットで調べてみると、シェーンは死んでいたのかそうでないのか、と議論があるようだった。自分の場合は、馬の上で静かに死んだのだと思い込んでいたので、生きている余地があるということを知り、少し嬉しくなった。

「俺はこの家を捨てたくない。未来を勝ち取るんだ」なんて台詞があったが、この言葉は忘れないでおきたい。今の時代に必要とされている情熱である。(少なくとも自分にとって)







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