2013/01/14

動くな、死ね、甦れ! (1989)

Zamri, umri, voskresni! (1989) ★★★★

1989年の映画なのに白黒で映像も粗い。逆にそれが良かったかもしれない。内容と合っていると思うし光の当たり具合などもきれいだった。主役のワレルカの声が特徴的で切羽詰った感じが伝わってきた。便所にイースト菌をばらまくとあんなことになるのか。やらかしたのはワレルカで、動揺していたのか「お前病気か。目つきが変だぞ」と友達に言われていた。それでワレルカは学校を退学になる。そのことの腹いせなのか、ワレルカはレールに釘のようなものを刺して、列車を転覆させる。逃げるように街を飛び出すが、近所の女の子のガリーヤは勘が鋭く、ワレルカの仕業だと察して彼を追いかける。ワレルカとガリーヤのやり取りが面白い。喧嘩するほど仲がいいというような仲の良さだった。「『小さな恋のメロディ』を超える傑作」というような文句がチラシに書いてあっただけのことはあるかもしれない。宝石店を強盗するときに、トイレの鉄柵をすり抜けて侵入するのだが、スムーズに入れるようワレルカは全裸になる。そのときお尻が見えた。普通ではない映画で、気が狂ったおばさんが全裸で箒にまたがり叫び回るシーンは一度見たら一生忘れないと思う。日本兵が出てきたり演歌が流れたりと、海外から見た日本のイメージを若干知ることが出来る映画かもしれない。続編として「ひとりで生きる」「ぼくら、20世紀の子供たち」がある。

2013/01/13

チーズケーキ (2008) <未>

Chizkeik (2008) ★★★★★

主役のパーヴェル・マレンチェフ(Pavel Melenchuk)(Павел Меленчук)くんは映画の中でもかなりの美少年。

あらすじ(自作)
ミハイルがアパートに帰宅すると、少年がドアの前に座り込んでいた。ミハイルと過去にチーズケーキのCMで共演したことのあるアリョーシャという名の少年だった。家に帰れと言ってもアリョーシャは聞かず、一晩だけという約束でミハイルはアリョーシャを部屋に泊めてあげることにする。アリョーシャは謎の多い少年だった。家出してきたという割には、とても几帳面な少年だった。ミハイルよりも早起きし、ベッドを整え、ミハイルの分の朝食も準備してくれる。ミハイルは、かつてその謎の少年アリョーシャと一緒にCMに出演したもう一人の女の人、ナターシャに電話し、アリョーシャのことを詳しく調べてもらう。

アリョーシャの家庭を突き止めることが出来たが、状況はひどかった。父親は行方不明で、アルコール中毒の母親は、アリョーシャに何でも命じてこき使う。そんな状況を見たミハイルは、同情したのか、ルールさえ守れば家に泊まりに来てもいいということをアリョーシャに告げる。

2人での生活が始まった。湖までドライブするなどし、お互いの仲は深まっていった。しかし、ミハイルにはガールフレンドである、ガーリャがいた。アリョーシャを置いてきぼりにし、よく2人で出かけてしまう。そんな2人を、切ない表情で窓から眺めるアリョーシャ。

この頃から、アリョーシャの理解不能の行動が目立ち始める。ナイフを持って街に出て、誰だかわからない謎の男を尾行した揚句、突き刺して殺害してしまう。アリョーシャは吐き気を催しながらもなんとか逃げおおせた。

その事件を聞いて、嘆き悲しむ女優がいた。その女優が、殺害された男の婚約者であり、かつてチーズケーキのCMでアリョーシャ、ミハイルと共演したことのあるナターシャだった。次に、アリョーシャはミハイルの携帯を盗み出し、彼のガールフレンドであるガーリャにメールを送りある場所に誘導する。そして、策略通りにガーリャを爆弾で殺害する。

ガールフレンドが殺されて、もぬけの殻となったミハエル。そして、同じく婚約者を殺害された、女優のナターシャ。そんな2人を同じ場所に呼び出して、今まで見せたことのない幸せそうな表情で、準備してきたチーズケーキを食べるアリョーシャだった。

2013/01/12

霧の中の風景 (1988)

Topio stin omichli (1988) ★★★★

アテネからドイツへ、会ったことのない父親を探して旅をする幼い姉弟を描いたドラマ。1988年、第45回ヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞。1989年、第2回ヨーロッパ映画賞・作品賞を受賞。

どちらかというと少女映画だった。内容もそうだけど音楽や映像とか、とにかくすべてが暗かった。父親に会いに2人だけでドイツを目指すが、父親がいるのかどうかも不明。弟が父親の夢をよく見るということだけが頼り。2人の孤独をひしひしと感じた。どこへ行っても街は閑散としていて、この映画に出てくる人物で元気な人は1人もいなかった。劇団員の男だけが唯一2人の姉妹に優しく接してくれる。ただ彼も、劇を演じることのできる劇場が見つからず、もうすぐ徴兵ということで、哀愁漂っていた。「僕はかたつむりさ。行くあてもなく、這い回っているだけさ。」みたいなことをつぶやいていた。街に雪が降ってくると、人々は立ち止まって空を見上げる。誰しもが静止している情景の中を、2人の兄弟だけが、手をつないで駆けていく。そしてさびしすぎるBGM。そのシーンが一番印象的だった。最後の最後までとことん暗くて、姉はヒッチハイクで乗せてもらった運転手にやられて、それからは自分の体をお金にすることを学び、その最終手段を使って(実際には使わずに済んだ)ドイツ行きのキップ代を手に入れる。こそこそせずに列車に乗れたことに姉弟は顔を見合わせて笑顔を見せるが、パスポートは持っていなかった。列車を抜け出し、向こう岸のドイツを目指してボートを漕ぐ。しっかりと見せてはいなかったが、銃声が響いていたし、姉弟は意識の中だけでドイツに到着したのだと思う。ドイツというか、遠い国。

子供たちの城 (1983)

Zappa (1983) ★★

「ペレ」のピレ・アウグスト監督の映画。スタンド・バイ・ミーとほぼ同じ時期に作られた映画でテーマも少年たちが結束する話で似ている。でも少年のグループの人間模様は対照的。スタンド・バイ・ミーの4人は結局のところは楽しそうだった。でも「子供たちの城」の3人は、本当は付き合いたくない同士というか、一緒にいればいるほど3人ともが不幸になっていくようだった。スタンド・バイ・ミーの4人のうちの太っていてどんくさいキャラだったバーンのようなムーレという少年が出てくるが、彼は虫を食べさせられたり、ペットの小鳥を殺されたりと、言うことを聞かなかったことに対して相当な仕打ちを受ける。そんな姿を見ていたビヨンは、内心やりすぎだろと思ってはいても言い出せなくて、見て見ぬふり。ムーレを苛める奴が悪いんじゃないかと思われるかもしれないけど、そんなリーダー格のスティンも、家の事情のせいで情緒不安定になっているようだった。そうなるのなら最初から付き合わなければよかったのに、3人は殴り合って血だらけになる。そして何の救いもなく終わる。嫌いなわけではないけれど不快になる映画だった。女の子に会う前に勃起してしまったビヨンがそれを抑えようと、必死に意識をそらそうとしたり、水をかけたり、いろいろ試すシーンが面白かった。

2013/01/09

フランスの友だち (1989)

Après la guerre (1989) ★★★★★

「フランスの思い出」に続いてジャン・ルー・ユベーヌ監督と彼の息子アントワーヌ(Antoine Hubert)によるほのぼの戦争ムービー。その2人に加えて今度はアントワーヌの実の弟ジュリアンも出演している。監督は血のつながった息子を、むしろそうだからなのか、思い切って女装させている。映画のポスターやビデオのパッケージにもアントワーヌの女装姿はばっちり映っているのでそのインパクトは強く、「フランスの友だち」というタイトルより先に「女装した少年が大きなライフルを抱えている映画」のイメージが来る。(うまくいえないけど)

さすがは血のつながった兄弟。映画の中でも2人のやり取りがナイス。兄が女装することが弟ジュリアンにとっては面白くて仕方がないようだった。町の人たちがアントワーヌのことを「お嬢ちゃん」と呼ぶたびに、ジュリアンは隣で笑いこける。アントワーヌは兄貴風を吹かして、弟に退屈な見張り役ばかりをやらせるのだが、戻ってきてジュリアンが見当たらないと「ジュリアーン!ジュリアーン!」と、べそをかく。自然と犬も後をついてきて、それに加えてパチンコで仕留めたニワトリをぶら下げ2人は目的地に向かう。アントワーヌはパチンコの名手で、女の人の頭に当てて気絶させてしまうほどだった。前作の「フランスの思い出」にも出ていた俳優演じるドイツ兵と道中出会い、3人が仲よく楽しそうに歩いていく光景がこの映画の最大の見どころだと思う。

しかし、そんなほのぼのしていてクスっとさせられてしまうような物語でも、終盤にはやはりフランス映画特有の陰気な暗さを帯びたものになる。ラストシーンでアントワーヌとジュリアンは抱き合いお互いに兄弟愛を確認しあうのだが、思えば彼らは本当の兄弟でしかもそれを撮っているのは彼らの父親だということを改めて思うと、なんて素敵な映画なんだと実感する。

あと、ニワトリの首を握りくちばしを卵にコンコンと当てて割る場面がなぜか脳裏に焼き付いている。それからアントワーヌが茂みで立ち小便をしているのを目撃した老人が「女の子が立ち小便をするご時世か」とつぶやくシーンも面白かった。

2013/01/07

駆ける少年 (1990)

Davandeh (1990) ★★★★★

イランの巨匠アミール・ナデリ監督の自伝的物語。幼少期を過ごしたイランでの日常を描いている。アミル少年(Majid Niroumand)がとにかく走り回っていた。走らずにはいられなかったのだと思う。飲み水を1レアルで売っていると代金を払わずに飲み逃げしてしまったおじさんがいた。おじさんは自転車に乗っていたけどアミルは走ってとことん彼を追いかけた。追い詰めてお金をもらうと、多めにもらったのか、飲み逃げしたような相手に向けられる笑顔とは思えないぐらいの満面の笑みを浮かべていた。氷を盗まれたときも相手をとことん追いかけて奪い返すが、その後も走り続けているうちに氷は溶けて小さくなっていって、結局最後には投げ捨てる。走ることが出来ればそれでよかったのかな。ただ、劇場で見た生アミール・ナデリ監督のおなかはぽっちゃりしていた。他に印象に残っているシーンは、港を出航する船に向かって「僕もつれてってくれ!」と大声で叫ぶシーン。魂の叫びのように聞こえた。あとラストの火が燃えたぎる荒野での駆けっこ。スローモーションになった瞬間は鳥肌ものだった。あとはどうでもいいけど、ひよこを部屋で飼っていたこと。そういえばひよこって小さいし可愛いのにペットとして飼っているという話は全く聞かない。ニワトリになるのが面倒だからかな。

この映画を見終わって、自分ももっと必死になって生きなきゃいけないなと思った。環境が恵まれすぎていているせいか張り合いがない気がする。景気悪くてやりたいことが簡単には出来ないし中国にGDPも抜かれる。それでいて今の生活に何ら不便を感じないので何に期待して生きていけばいいかわからない。

最後は愚痴になった。

2013/01/05

スウィート・ムービー (1974)


Sweet Movie (1974) ★

ほんと訳のわからなかった映画。子役はほとんど出てこなかったけど5分間ほど少年たちとお姉さんによるストリップショーのシーンがあって、そこは強烈だった。ほぼ全裸の女の人を前にあの男の子たちはどんな気持ちだったのだろう。本編ではモザイクかかってたけれど撮影のとき男の子たちは何もかも見ているだろうし、お姉さんも遠慮がなかったように見えた。印象的なのはすごくマッチョな黒人。毛深いおじさんの赤ちゃんプレイ。砂糖にまみれての絡み。チョコレートに浸かってくねくねする美人。生卵も浴びていた。見る人が見ればスウィートな映画なのかも。

この映画を撮ったドゥシャン・マカヴェイエフのインタビューより。
私の映画へようこそ。この作品は1974年カナダ、フランス、オランダで制作。フランスではエッフェル等もロケに使いました。エッフェル塔で撮影しているときにひょっこり現れたのが寺山修司です。仲間でしたが彼と会ったのはそれが最後。彼の映画における変質と詩情が好きです。私のこの作品においても、私自身うまく説明できない要素があります。見る人が意味を決めます。“狂気の旅”と呼ぶ人もいます。イギリスとカナダの一部ではまだ上映禁止。あなたにとって過激でないことを祈ります。