Supermään (2010)
15min - Finland
短編特集第二弾。今の時期、東京国際映画祭が世間を賑わせているのを意識して、ここでは「イケメン、美少年ショートフィルムフェスティバル」です。
前回の「The Legacy」に続いて、今回もスーパーマンがテーマ。ただ、内容は全く対照的。スーパーマン一つにしても、単純だと言われるアメリカ映画と、北欧のものとのとらえ方の違いが表れている(?)
見どころは、疲れきったオスカー君の表情。説明的なセリフが全くないので、オスカー君が何を感じているのか、考えさせる内容となっている。
左の赤マントが主役のオスカー(スーパーマン派)、右は友達(バットマン派)。
男の子なら、誰もがやっただろう遊び。
前髪の、くるってやつも、真似してみる。
お母さんに連れられて、買い物に行くことに。
電車に乗って、一晩がかり。
到着駅で、待ち受けるおばさん。
よく来たわねえ~
妹と目が合うと、毎回あっかんべーをされる。
やれやれ。
服屋に入ると、オスカーは、着せ替え人形状態に。
そして、おもちゃ屋で見たものは、
大量にパックされて、陳列させられているヒーロー。
何かが間違っている…
「どれも同じよ。これでいいでしょ。」
デリカシーのない母親。
スーパーマンの人形を買って、その日はお泊まり。
思いつめるオスカー。
この短編の中で、4度も、こんなふうに眠れないオスカーの夜のシーンが挿入されている。これはなかなか面白い。
オスカーは、これらの時間でいろいろ考えて、気持ちを整理していく。
次の日、やっぱり退屈そうなオスカー。
妹も、あいかわらず、こんな感じ。
何も言い返さず、もうとっくにあきらめたというような、オスカー。
ふと、外をみると、
打ちのめされるオスカー。
イメージしていたヒーローとは、完全に違っている。
帰りの電車。また、一晩かかる。
オスカーだけは起きていて、ずっとスーパーマンの人形を、ライトで照らして、眺めている。
小旅行から戻ってきて、いつものように友達と人形ごっこ。
スーパーマンが友達にとられて、痛めつけられても、以前と違って気力がない。
その日の夜。
ぐったりしているオスカー。
体温を計ってみても、熱があるわけでもない。
夜中、ベッドを抜け出して、はだしのまま外に出ていくオスカー。
従来のヒーローとの決別。
そして、オスカーにとっての新しいヒーローの誕生。
おしまい。
この短編の15分の中で、オスカー少年はどのように成長したのか。
小さい男の子なら、最強のスーパーマンのようになりたいと思うのは自然なこと。ただ、大人になるにつれて、スーパーマンのようにはなれないということに、気づかなければならない。これは避けては通られない。スーパーマンは想像上の存在で、おもちゃ屋さんで、人形として売り物にもされるのだ。
オスカーは、小旅行中、ずっとつまらなそうな顔をしている。旅行中の出来事は、現実的なことばかりなのだ。そんなに好きじゃないおばさんに頬をくっつけられるし、お母さんは、オスカーの意見は無視で、自分の好みに合わせて服をチョイスするし、妹には、ばかにされっぱなしだし。そんな現実の世界で、目の当たりにしたのが、黒人のスーパーマン。
家に帰ってきて、オスカーは、いままで遊んでいたスーパーマン人形の皮膚を黒く塗る。これが、オスカー少年の成長の現れ。スーパーマンを黒くすることで、オスカー少年が、少しだけ現実的になったということを表しているのだと思う。漠然とイメージしていたヒーロー像が、実際に目の前で目撃したものに近づいたという意味で。
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