2014/08/07

星になった少年 Shining Boy & Little Randy (2005)

星になった少年 (2005) ★★

象使いになろうとタイで修行を積み、20歳の若さでなくなった坂本哲夢さんを描いたもの。実話に基づいている。原作は「ちび象ランディと星になった少年」。主演の柳楽優弥くんは、初めての映画主演作「誰も知らない」で最年少記録で男優賞を受賞。「星になった少年」は、彼の主演二作目。一作目の成功で、世界から注目されていたとしたら、この作品を観てがっかりした人は多かったかもしれない。

家族で動物プロダクションを経営しているテツム(柳楽優弥)は、学校で動物くさいと馬鹿にされて、仲間はずれにされていた。いろんな動物を飼っている少年なんて、人気ものになりそうなものだが、テツムが触るもの、蹴り返したサッカーボールまで、動物臭が感染したということで、気持ち悪がって誰も触らない。徹底した差別だった。

学校に通っていても楽しくないし、人間とかかわるより、動物とかかわっていたほうが幸せだったテツムは、象使いになろうと、思い切ってタイに修業しに行くことにする。中学生が1人でタイに行くっていうので、どうなるのだろうとわくわくして観ていたのだが、いざタイに移り住んだテツムや周りの環境を観ていても、異国らしさ、非日常な感じがあまり感じられなかったので残念だった。なんとなくタイ語を話せてしまい、言葉の壁を痛感することもなく、現地の同年代の子たちともすんなり仲良くなってしまうし、そこらへんが原因で、思い切って外国に移り住んだというカタルシスは感じられなかった。また、タイでの2年の修行を経て、日本に帰ってきたときも、周りの反応が薄すぎるのである。観ている側としては、帰国してきたテツムへの歓迎であったり、家族のリアクションの描写は見たいところである。軽いあいさつ程度のこともなく、今までどおりクラスで退屈そうに授業を聞いているテツムの姿があるだけだった。家族との再会の場面もなく、今までどおりファームで象とそこにいるだけだった。まさかと思って巻き戻して見返したぐらい、あっさりしていた。

あと、タイでの場面で、テツムが滝に落ちかけて、助けてぇ、となっているときに、今までなついてくれなかった象がやってきて、鼻を伸ばしてテツムを助けるというのがある。それで象とテツムの間に信頼関係が生まれるというわけだが、いまどきこんなのを見せられても…。