2014/04/16

バスタード (2011) <未>

Bastard (2011) ★★★

ギャラリーにも載せているマルクス・クロイヤー君の出演映画。「Wer früher stirbt, ist länger tot」の頃からは成長して声変わりもしている。顔はまだ幼くてきれいだが、脱いだ時の体を見ると、少しおっさん体型なような気もする(画像2)。役柄上、非常に怖くて性格がねじ曲がっている少年を演じているのが少し残念。クールなスケーター少年だった。

監禁されている男の子をめぐるサスペンス。「ぼくは怖くない」では大人たちに閉じ込められている男の子をミケーレ少年が救い出すという話だったが、逆にこの映画の場合は、14歳の男の子(Markus Krojer)が、同じサッカークラブに所属している友達を監禁してしまう。どうしてそんなことになっているのかは最後までわからず、ある女の子と一緒になって、ニコラスの足を鎖でつないで、スマホで動画をとったりして単純にいじめているように見える。その動画が学校中に出回り、犯人は誰だということで警察が動き出す。

レオンとマイナートはどうしてあんなに鬼畜な少年少女になってしまったのか。結局のところは彼らか育った境遇が原因で、愛情に飢えていたからだった。レオンは私生児で、養子にとられたのだった。夕食時でも全く話をせず、母親が気を使って話しかけてきたときには、フォークを投げつける。警察に事情聴取されているときも、適当なことばかり口にして、早く帰らせろだの言う。女の子の方のマイナートも、母親は水商売をしていて、酔っぱらって床に倒れこんでいたり、男と一緒にベッドをきしきしと鳴らしたりしている。マイナートがずっとイヤホンで音楽を聴いているのもその音を聞きたくないからだった。

レオンがニコラスを監禁した目的は、ニコラスの家庭に溶け込みたいがためだった。「ニコラスの居場所を教えてあげるから」という口実で、悪魔でも見るような表情をしているニコラスの両親と、女の警察官一人、それからマイナート、あと家の外では見張りが巡回している中でも、「パパ、ママ」と呼び、普通の家族の一員であるかのように振る舞う。最後に明らかになるが、実はニコラスの母親こそ、本当のレオンの母親だったのだ。事情があって、レオンは捨てられたのだった。普通の家庭で過ごしたいという実は純粋な思いが、犯罪に発展してしまったのである。「Chizkeik」のアリョーシャ少年のパターンである。

結果的にあんまり好きになれない作品だった。脚本にも粗さが目立つ。いくら心に傷を負った子供たちとはいっても、警察も含めてまわりの大人たちは、2人の言うことを簡単に聞き入れすぎである。挙句の果てに警察はあっさりと、たかが14歳の女の子に拳銃を盗られて、閉じ込められているニコラスは、銃口を向けられて、殺すと脅され、マイナートに至っては、最期まで誰からも愛されていなかったことに気付き、自殺してしまうという後味の悪いものである。





画像2 顔の割のおっさん体型?

監禁されるニコラス 

コンドームであそぶ。 

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