2014/05/19

私の息子 (2006)

Mon fils à moi (2006) ★★★★

主役のジュリアンを演じたVictor Sévaux君が可愛かったので鑑賞。そんな理由で観たので、まさかの衝撃的な内容にびっくり。母親に操り人形のように扱われて、ちょっと逆らっただけでぼこぼこ殴られ、蹴られるジュリアン…。

ジュリアンは、大学教授である父親を持ち、いいところに住んでいるお坊ちゃま少年だった。しかし、彼の母親がどうもおかしかった。息子に対する愛情が行き過ぎておかしなことになっているのだと思う。自分の息子を思い通りにしておきたくてノイローゼ気味である。ジュリアンが見たことのない服を着ているだけで、「そんな趣味の悪い服、どこから手に入れてきたの?今すぐ脱ぎなさい!」と言われたり、「サッカーか、お母さんと過ごす時間のどっちを取るの?」と、ジュリアンが所属するクラブの練習を無理やり休まされたりする。心優しいジュリアンは、反抗することなく、嫌なことがあっても自分の中にため込んでいくタイプの少年だった。言葉には出さないが、夕食を目の前にしてもフォークで突いているだけで、まったく口にしない。姉は、彼が夜になると泣いているのをいつも聞いているそうだ。父親は完全に無関心。「仕事が忙しい」の一点張りで、家族とまともに向き合おうとしていない。

ジュリアンにはアリスという好きな女の子がいた。彼女と会う予定の日には、もともとつるつるな顔を入念にシェービングして、気合十分だった。実際にアリスも、ジュリアンの頬を撫でながら喜んでくれていた。しかし、母親は違った。家に帰ると、母親がそばに来てジュリアンの頬に手を当て、気に入らないと言われるのだった。自分の息子に好きな女の子がいることが気に食わないのだった。アリスからジュリアンのもとへ届いた手紙を見つけると、グチャグチャにして捨ててしまうのだった。後になって、ごみ箱のなかで破り捨てられている自分あての手紙を発見したジュリアンは、母親に機嫌を直してもらおうと、アリスにあげるはずのチョコレートを、母親にプレゼントするのだった。しかしここでも逆効果。気に入ってもらえるどころか、また大声で叱られるのだった。

次に、これは少しあくどい演出だなと思ったが、ジュリアンの不憫な体験をもう一つ。家にいなさいという言いつけを破り、思い切って家出してきてパーティーに向かう場面がある。自転車を漕ぐジュリアンはいつになく楽しそうだった。会場でアリスと落ち合って、静かな部屋で良い感じに、アリスがジュリアンの上着のボタンをはずしていくシーンがある。(画像7)観ているこっちもドキドキだった。しかし、ボタンをはずし終わりロマンチックが最高潮に達したところで、友達があわてて入ってきて、「ジュリアン!お母さんが探してるよ!」である。その後のアリスとのことはあきらめるしかなく、必死で自転車を漕いで家に戻るジュリアン。道路で家族が運転する車とすれ違い、顔を真っ赤にした母親が下りてきて、道の真ん中でジュリアンを殴る。(画像8)

そして、ジュリアンが一番可哀そうだと思った場面。それはお風呂上がりの時である。タオルを巻いて出てきて、自分の部屋で着替えようとしていたのだが、そこにいきなり母親が入ってくる。驚いたジュリアンは、手で下半身を隠すのだが、「なぜ隠す必要があるの?手をどけなさい!」と命令される。母親に思いっきり見られている中で、しぶしぶ言うとおりにさせられるのだった。母親に裸を見られるなんて、思春期の男の子にとっては死にたいぐらい恥ずかしいことなのに。(画像3)

終盤に向かうにつれて、母親によるジュリアンへの暴力はエスカレートしていく。ジュリアンはいつも、家にいるときはちゃんとした服装をしているのだが、学校で友達といるときには、シャツをズボンから出して、髪をぼさぼさにして過ごしている。学校が終わり家に帰る途中で、また髪を整えてしゃきっとした格好に戻していた。ところがあるとき、母親が学校にやってきて、不良のような恰好をしているジュリアンは見つかってしまう。その姿を見るや否や、友達の前でジュリアンに平手打ちである。

さすがのジュリアンももう耐えきれなかった。あるときの放課後のジュリアンはいつもと違った。普段だったら、家に入る前に髪を正すのだが、ぼさぼさの髪のまま、あと友達から借りた拳銃も持って、母親に挑んでいく。(画像16)



ジュリアン(Victor Sévaux) 
画像3 



画像7 好きな女の子、アリスと。
画像8
無理やりダンス。 

くまさん抱えてかわいい。 

ピアノも、くまさんも没収。。 
痣がないか調べられる。 
画像16。対決・・・
おばあちゃんは大好き。 



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