2013/10/05

イズ・エニバディ・ゼア? (2008) <未>

Is Anybody There? (2008) ★★★★

今回は、自分の中で今一番推したい子役の主演作品。「リトル・ランボーズ」でおなじみのビル・ミルナー君。「リトル・ランボーズ」の時は、まだ幼くて、そこまで気にならなかったが、この映画の頃には、とても繊細そうな美少年へと成長していた。どこか弱々しくて優しい感じが、役柄にピッタリだった。

エドワード(Bill Milner)の家では、老人ホームを営んでいて、彼は小さいころからお年寄りに囲まれて生活していた。なので、人が死ぬということは、彼の周りではよくあることだった。そんな環境にいるエドワードは、とんでもない遊びをしている。寝たきりで、今にも息絶えそうな老人のベッドの下に、テープレコーダーを忍ばせて、「うぅ…うぅ…」と苦しそうな寝息を録音しているのだった。横になっている老人を眺めながら「うぅ・・・うぅ・・・」と真似までしていた。

なぜそんなものを録音しているのかというと、彼は幽霊の存在を記録したいのだった。老人が亡くなって、その部屋が空くと、ベッドの下からテープレコーダーを取り出して、ヘッドホンで老人の息絶えそうな寝息を夜な夜な聞いているのである。怪奇現象的なものは何も記録されておらず、そのかわりに、父親がホームに勤めている女の子を口説いているのが記録されていたりする。

テーマは、ホームに入居している頑固なじいさんクラレンスと、エドワードの交流である。クラレンスは、奥さんに先立たれ、生きる希望をなくしている。エドワードは、学校でもいじめられ、老人ばかりに囲まれているのが嫌で自暴自棄になっている。そんな2人の交流をほのぼのと描き、人生や死についても考えさせる内容である。

クラレンスがどんどん呆けていくのが悲しい。ようやく2人が仲良くなっても、クラレンスの記憶は遠のいていく。エドワードの名前さえ出てこなくなるのだ。息絶えそうな呼吸ばかりを録音していたテープレコーダーだったが、2人で楽しそうに話している場面が録音されていて、以前の、うぅ・・・うぅ・・・を退屈そうに聞いていたエドワードとは打って変わって、それを涙を流しながら聞いている。




ビル・ミルナー君。
頑固だったクラレンスが手を振る先には… 
手を振りかえすエドワード。この2枚だけで泣きそう。


火災報知器をあぶるエドワード。

2 件のコメント:

  1. これはインターネットで販売してますかね?

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    1. amazon.co.uk に売ってました。
      フォーマットは日本のものと違うので注意しないといけませんが…

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