2013/08/04

バード★シット (1970)

Brewster McCloud (1970) ★★★

「ハロルドとモード 少年は虹を渡る」のバッド・コート(Bud Cort)主演。ものすごいインパクトだった。登場シーンからとんでもなく不気味な目つき(画像1)。帽子を深めにかぶって、どこかあきらめたような雰囲気で、車を運転するさま(画像2)。そんな彼には空を飛ぶという絶対的な目標があった。その夢を邪魔するものは、次々と死んでいく。ブラックジョークが満載だった。

なかなか説明しづらい物語。盗んだ高級カメラで、動物園の鳥たちを撮影。鳥たちの骨格を研究し、金具で翼を組み立てる。懸垂を数百回こなし、筋肉も鍛える。邪魔をする者の顔の上には、ぼったりと鳥の糞が落ちてくる。次のシーンには、その人は死体になっているのだった。

お気に入りの場面は、夢が叶って、ついに空を飛ぶことの出来たシーン、ではなくて、次第に限界が見えてきて、ものすごく辛そうな悲鳴を上げながらも、必死で翼をはためかせるブルースターの姿。グラウンドに墜落した時の、人工翼の金具が地面にたたきつけられる、カシャーンと虚しい音。そんなラストのせいで、それまでにちりばめられていた笑い以上に、悲しい話になってしまった。

なんとなく、ブルースターを見ていると前向きになった。こういう駄目なやつもいるんだ、というような気持ち。




(画像1)とんでもなく不気味な目つき。 
(画像2)どこかあきらめたようなオーラ。 

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