1970年代のアルゼンチンを舞台にしたサスペンス。主役を演じたコンラッド・バレンスエラ(Conrado Valenzuela)君を見るための映画と言って良いと思う。彼でなければおそらく退屈していた。映画予告に「アンドレスの深い瞳はアナ・トレントの子供時代を思わせる。」という文句がつけられていたが本当にその通り。「思わせる」というより、単純にコンラッド君の見た目が子役時代のアナ・トレントと似ている。「ミツバチのささやき」を意識したようなショットもあった。
とにかく、場面によって変化していくアンドレスの表情は見逃せない。髪型や服装などにもこだわりを感じた。ちらっと見せる大人っぽい表情の割には年齢が低く、彼の全身が収まるショットでは、顔つきと体型のギャップに違和感を覚えることもあった。幼児体型というのか、丸っこくて愛くるしい。美少年を表現する際の「女の子と見間違うほどの…」という言い回しは、アンドレスのことを言うのにぴったりの表現である。
アンドレスの学校の友だち、脇役の男の子たちも、特に可愛い子を選んでいるのだと思う。そんな子供たちがはしゃぐ空地の中でも、アンドレスは特に際立っていた。短い半ズボン、ビー玉遊び、運動靴を素足で履くところなど、時代を感じる。
物事がはっきり説明されず、注意深くストーリーを追う必要があったりと、サスペンスらしい作品だった。アンドレスの母親が事故で亡くなってからというもの、周りの大人の言うことなすことが不気味だった。理解できない表情の変化であったり、隣人との目配せ、探り探りしたぎこちない会話など。アンドレス自身も、母親が死んだという実感が湧いていなかったのか、嘆いている様子はほとんどなかった。
先ほど見終わったばかりだが、正直理解できないことが多い(特に答えはないのかもしれないが)。最初にも述べたが、コンラッド君が魅力を振りまいてくれていなければ、ちゃんとしたレビューを書ける状態ではない。ただ作品自体の完成度としてはいまいちな印象ではある。
アンドレス(Conrado Valenzuela)
こういうシーンが「ミツバチのささやき」にもなかった?
目つき。
耳かけ。
唇のアップは貴重。
ここら辺からやばい。
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