舞台は20世紀初頭のイギリス、田園風景の中にそびえる大邸宅。のどかな草木、空の色、クラシックな建物、服装など、眺めているだけで満足する映像の美しさだった。邦題の意味する妖精たちとは、幼いマイルズ(Christopher Ellis)とフローラ姉弟のこと。どちらも美男美女ときていて、ストーリー以上に視覚から得るものが大きかった。
特にマイルズ。風貌もそうだが、話し方や表情など、とても上品。心もピュアで、それゆえに、見たものをそのまま吸収していく。ただ、大人の悪い部分だけを吸収し、自分のものにしていくのだった。
天使のような2人だが、涼しい顔でひどいことをする見た目とのギャップが魅力的だった。セックスというものを目撃したマイルズは、姉を相手に見よう見まねで実践する。姉をロープで縛り、鞭を打ち、「約束したろ、愛のエクスタシーを味わうって」というような、SMビデオさながらのセリフを飛ばす。二人の声を聞きつけた使用人が「何をしているの!?」と問い詰めると、マイルズは「じゃあ正直に言うからね。セックスしてたんだ」と、さらっと返答する。
突拍子のない展開を迎えて、多少興ざめはしたものの、マイルズを観ることのできるこの映画の価値は高い。
マイルズ(Christopher Ellis)
ぷくっとしたほっぺ。
下あご。
目撃。
真似る。
そしてこの表情。
セーラー服。
最後まで笑顔。
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