2013/04/05

少年と自転車 (2011)

Le gamin au vélo (2011) ★★★★★

「少年と自転車」というタイトルからは、話の内容が全く見えてこない。想像していたものとはだいぶ異なっていた。ここ最近で鑑賞したフランス映画、「君と歩く世界」「遥かな町」と、テンポであったり、雰囲気などが似ている。基本的にどれも暗い。この感じがフランス映画の特徴なのかな。

じっくりと、全編にわたってシリル(Thomas Doret)のことを描いていた。彼は無責任な親のせいでホームでの生活を余儀なくされている不幸な少年だった。散髪屋のサマンサだけが彼を受け入れ、最後まで裏切らない。好感のもてる女性だった。

先のことが予測しづらい内容だった。開始30分ほどでシリルと父親は再会を果たすのだが、「会いに来るな、連絡もしてくるな」と父親はシリルを拒絶する。その時点で、これ以上父子の関係が改善されることはないのだと思った。見ている側に残されているものというか、シリルにとっての希望としては、面倒を見てくれるサマンサの存在と自転車だけ。そんな大事な自転車も、何度か盗まれる(鍵をかけとけばいいのにと思った)。自転車泥棒を全力で追いかけていくシリルの姿を見ていて、「駆ける少年」のアミルを思い出した。

シリルはギャングのリーダー格の男に見込まれ、良くされるが、男の目的は何なのだろうと思った。ゲイなのかなとも思った(こんな風に考えてしまうのです)。ギャングたちに仲よくしてもらえれば、シリルも少しは孤独を感じずに済むし、それでもいいかなと思ったが、やはり利用されていただけであった。犯罪に加担させられ、警察に追われる。

最後のシーンまでどうなるか分からなくて、引き付けられた。木から落ちたシリルが、起き上がるかそうでないかで、まあハッピーエンド、もしくは超バッドエンドのどちらにでも運ぶことが出来たと思う。








ゲイなのかなとも思った。

同じく。




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