子役時代の伊藤淳史主演。ずっと先まで続いている鉄塔をなぞっていくという話。伊藤淳史はドラマの「電車男」でオタクを演じていたが、この映画でも鉄塔に固執する変わった少年を演じている。
見晴(伊藤淳史)の両親は別居することになる。父親に声をかけられても見晴は見向きもしない。ビンの蓋を集めて1つずつ金槌を打ってつぶしていく。そういえば、中学生の時、男子の間で学生服のボタンをつぶすのが流行っていた。当時は、なんとなく不良っぽくてかっこいいと思っていた。すると、集会で生活指導担当の怖い先生が前に出てきて「最近男子の制服のボタンがつぶれているなぁ」と怪訝そうにしていた。中学生の頃は、男子は訳のわからないことをするし、先生も訳も分からず怒鳴っていたように思える。
いろいろと生徒と先生の当時の意味不明なやりとりを思い出してきて、書きたくなってきたが、映画と関係ないのでやめておこう。
この映画でも大人から見たらよくわからないこだわりを見晴はみせる。友達の暁を一緒に連れて、親には内緒で鉄塔の下につぶした蓋を埋めていくという冒険に出る。日本版「スタンド・バイ・ミー」。
当時の自分だったら、親に内緒で遠くに出かけるとなると、好奇心とかの前に、大人に叱られるということをまず考えていたと思う。そういうときに、この映画の見晴(「スタンド・バイ・ミー」だったら、リヴァー・フェニックスが演じたクリス)のような、まっすぐ突き進んでいく頼もしい友達が必要だった。そして当時の自分にはまさに見晴やクリスのような頼れる友達がいた。この映画の暁とは何か違うけれど、「スタンド・バイ・ミー」のゴーディはかなり自分と被った。そんなふうに過去を投影できる映画はすばらしいと思う。
子役時代の伊藤淳史。
鉄塔への愛。
友達の暁を連れていく。
暁は付き合いきれず、くたくたに。
日も落ちかけてくる。
喧嘩になったり。
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